スリランカの緊急救済の必要性

 

日本もかつて経験したことですが、政府が資金が本当に無く困っていた時代も有りました。日本が敗戦後すぐの時代に、政府に資金もなくこれから国をどうして再建していくのか?という時代のドラマ「官僚たちの夏」というドラマがかつて放映されました。

戦争ですべてを無くし、その中で日本をどう復興させれば良いのか?その熱い官僚の戦いです。

今のスリランカは、まさに、混乱の中に居ます。つまり、今年の7月に国家破綻を宣言しましたが、最後の残りの資金や、また、海外からの一時つなぎの資金が少し届きましたので数ヶ月の延長は可能になりました。

本当の問題は、これからです。
役所のどこを探しても資金がないということを文部省では話しています。全国にある学校の維持費、教職員の人件費などの支払が出来ないという状況が始まっています。

先日、スリランの国会で、法律改正をして、学校の民営化を可決しました。学校は無償化教育から有償化、そして、各学校は、独立採算で民営化を進めることが、とわれています。政府によって学校を維持出来ないという問題になり、事実上、スリランカ政府建国後、最大のピンチであり、転換期であるということになります。企業と学校が第三セクターによる資金を投入をして維持する形式「官民パートナーシップ投資」PPPを行うことを推進していくということです。

このことに対して、教職員組合が猛反発という状況になり、そのことに対してメディアも取り上げてくるようになり、大混乱を招き始めているということです。

対外援助を求めたいのですが、この状況でスリランカに対して支援する国も少ないといえますので、この混乱は、かなり悩ましい問題といえます。
スリランカン幹部職員は、減給や無休で対応していますが、それも限界に近づいてきているということで、このまま解決策がないのであれば、完全に政府職員がほぼ全員解雇されて、国家として社会サービスが成り立たないという可能性が高まって来ています。来年度になれば、まったく資金がゼロになるということです。

財務省などは、通貨の増刷をして対応するということをしていますが、今の政府国債を買う人など居なく、結論、政府は財源確保の困難な状況は続いています。

支払い止めている外貨建債務に対しては、支払の目処が立たず、政府も法人税などの増税を決めましたが、ここまで混乱してしまった政府内部は、行政は、まともに機能していない状況ですので、機能不全のままでは解決策は無いと言えます。

つまり、解決方法は、スリランカに対して、政府保証をつけて、長期債権をもってドカーンと貸し付ける以外、方法がありません。

スリランカの外貨建債務は、7兆円ほどですから、日本が長期債で10兆円ほど貸し付けて、100年後に返済してくれだいというような長期貸付をしてあげれば、この問題は、一瞬で解決しますが、スリランカは、1951年のサンフランシスコ講和条約の際に、スリランカ大統領は、日本を救済する演説をして「対日賠償責任の放棄」「四分割統治」をしないように日本を守ったのです。

日本にとって、円借款で10兆円をスリランカに長期貸出をすることなど、難しい話ではありません。外為特会の資金の円安によるドル建て積立金の差益を10兆円を貸し出すことで、日本の恩人である国家を救済することができれば、日本としても恩返しを下ということになります。これくらいの決断ができる国のリーダーがなければ、日本国がアジアのリーダーとしてG7国として、活躍出来ないと言えます。自由で開かれたインド太平洋構想を政府が唱えるのであれば、インド洋のゲートウェイであるスリランカの救済は、即刻動くべきだと日本政府に働きかけたいと思います。