教育問題から見てスリランカの情勢を考える。

教育問題から見てスリランカの情勢を考える。

 

教育水準という話を言えば日本でも義務教育というものがあり教育の無償化というものがありますが周囲でかかる費用に関してはやはり完全にゼロというわけではありません。

 

または高等教育を受けるにあたり学生の学費が非常に高く奨学金を支払うことに苦しんでいる日本の若い人の話がよく話題になります。

 

この奨学金が払えないということで金利がつき同時に差し押さえもあるということで正直これは学生支援とは言えないと日本でも言われています。

 

つまり社会人となったと同時に借金地獄になっていてそれが原因で人生が前に進めないということを悩んでいる日本の若者もたくさんいます。

 

経済が貧しくなるということは国民の教育特に若い人の教育に対してもお金が出せないからできないということで諦めるケースがたくさんありますのでこれは長い目でみれば国家として非常に大きな損失になります。

 

筆者はスリランカの文部省の特命全権大使としてスリランカの若者の職業訓練及び日本企業その橋渡しをしておりますがその中でも色々と問題点が見えてきました。

大都市部の教育というのはまだ両親が所得があり子どもたちを学校に行かすことができるのですが農村部の貧しい地帯では学校自身もお金もなく校舎もボロボロ教育施設もまともではないまた教職員の給料も高い給料が払えないということで職員自身も海外に出稼ぎに行った方が良いということで学校の存続自信が成り立たないという状況になっています。

 

スリランカは教育に関しては無償化政策を長年取ってきておりましたがここにきてもう限界が来たということでつい先日国会で審議を通し有償化の方向に向かうことになりました。

 

これに対して非常に反対を持っているのが教職員組合であり二つの大きな教職員組合があるのですが全面対決の様相です。

 

このような状況下でどのようにして解決をすればいいのかということをスリランカの文部省のリーダーが協議をしていますが官僚側の意見としてもこの問題を長年解決してくれなかったことを一気に解決するということを言えばそのことに対して真剣に向き合わないという問題が起こっており内部でも相当な混乱が起きつつあります。

 

まさに昔日本の国鉄が民営化した時のように組合と経営者側で非常に激しい論争があり組合側はそんなことは認められないという話をしますし経営者としては目の前に置ける資金不足を解決するには民営化をし外部からの資金注入をしなければ成り立たないという状況に追い込まれています。

 

この問題は子供たちには罪はないのですがこういう状況下で学校が崩壊を始め実際にはこのコロナ禍で非常に財源不足とコロナを理由にして学校は休校していますが実質地方の学校システム自身が崩壊をしているというのが現状です。

 

そのような問題を解決するのは外部からの資金の注入すなわち官民パートナーシップにおける支援モデル以外は救済する方法がないということで文部省のリーダーはその方向性を打ち出しています。

 

教職員組合は反対はしていますが現実問題お金がないという問題は反対をしても解決することはないので学校自信が完全に崩壊するのかもしくは我慢をして民営化をしてなんとかこのピンチを切り抜けるのかということをしなければいけません。

 

またこのような厳しい状況下で外国からの支援を得るというのもスリランカにとって非常に厳しい状況であることは理解されます。

 

この問題を解決するが上でやはり IMF がスリランカの再建問題に関しては日本が中心になって取りまとめてくださいという風な方針を立てていますのでスリランカの現政権としては日本にお願いしたいという一心であることは事実です。

 

中国からの債務の罠ということでなぜそうなったのかという経緯を話せば実際を言えば内部的な政治とカネの問題もありますがそれ以前からスリランカには内戦問題というものがありました。

 

これは今から十数年前に内線は停戦に追い込まれましたがそれを支援したのが中国だったということです。

 

政府軍とスリランカの南部のゲリラ軍との戦いが長期間行われましたが政府軍の支援をしたのが中国からの支援で中国からの武器弾薬の支援がありその支払いが結構な金額残っているというのが現状です。

ある意味スリランカの借金問題というのはスリランカの内戦問題を解決する上で中国から多くの武器を購入したことが原因でそのリースを返済することが実は厳しい借金問題の原因になっています。

 

なぜそこまで中国から借金したのかということを多くの人は詳細を理解していないので話はしましたがその借金自身が年利8%の貸付ということでこの支払いがスリランカの財政を圧迫していると言えます。

 

スリランカの南部の空港や港が話題にはなっていますがそれだけの問題ではないといえます。

 

これはスリランカ建国以来結構長い間内戦があったというところが実はこの問題の発端になっていると言えます。

 

よってそう簡単に解決できる問題ではないのですがこのまま放置しておいても結果国民の教育もままならず多くの国民が国外へ脱出するというような状況になっていますのでこれは国家の存続として非常に重大な問題になっています。

 

私も文部省のことでお手伝いする結果になりましたがこのような色々な大きな問題を抱えているとは今となってよく理解できました。

 

これはもう国内の内部では100%解決できない問題です。

それはどうすればいいかというのは国際的支援を求める以外このスリランカの内部的な問題を解決する方法は100%あり得ないでしょう。