G20のイノベーション担当閣僚は2026年9月2日、米国ノースカロライナ州で会合を開き、AIを含む新興技術に関する政策協力について共同声明をまとめた。英国政府は9月4日、合意文書を正式に公開した。
声明では、イノベーションを促進する政策枠組みとして「Carolina Principles for Emerging Technologies」を取り上げたほか、技術による経済機会の拡大、技術人材育成、G20 AI Prosperity Objectives、AI Prosperity Compact、AIと知的財産、AI標準、産業イノベーションやサプライチェーン投資など幅広い課題が盛り込まれた。
注目すべき点は、各国のAI政策が安全性やリスク規制だけでは完結しなくなっていることだ。AIを産業政策、教育、人材、標準化、知的財産、半導体を含む供給網と一体で考える方向が鮮明になっている。企業にとっても、AI規制への対応だけでなく、国際標準や知財ルールが製品設計や海外展開の条件になり得る。
AIの規制制度は国・地域ごとの差が大きく、G20声明そのものが各国企業に直接新たな義務を課すものではない。しかし、主要国が共通原則や標準化の方向性を協議することは、今後の国内制度や政府調達、国際標準策定に影響する可能性がある。グローバルにAIサービスを展開する企業は、個別の法律だけでなく、G20など多国間枠組みで形成される政策方向も継続して確認する必要がある。
出典
UK Government