中国のAI企業DeepSeekが、中国の大手証券会社CITIC Securitiesを起用し、上海証券取引所のSTAR市場への上場準備を進めているとReutersが2026年9月9日に関係者の話として報じた。上場規模や評価額などは確定していないとされる。
DeepSeekは杭州を拠点とするAI企業で、中国の生成AI競争を象徴する企業の一つとなっている。大規模AIモデルの開発には、GPUなどの計算資源、データセンター、研究者やエンジニアの採用・維持など継続的な巨額投資が必要となる。そのためAI企業にとって資本市場へのアクセスは、単なる創業者や投資家の出口ではなく、研究開発競争を継続するための資金調達手段として重要性を増している。
中国では米国の先端半導体輸出規制という制約の中でAI開発を進める必要があり、計算資源を効率的に利用する技術や国内半導体との連携も競争力を左右する。DeepSeekが国内市場への上場を実現すれば、中国政府が推進するAI・半導体・計算インフラの国産化政策とも連動する可能性がある。
一方、AI企業の高い企業価値が実際の売上や利益とどの程度結び付くかは、世界の投資家が注視している問題でもある。モデル開発費と推論サービス費用が膨らむ中、利用者数の増加だけでなく、企業向けサービスなどから持続的な収益を得られるかが重要になる。
今後はDeepSeekの正式な上場手続きの開始時期、資金調達額、調達資金の用途に加え、中国の他のAI企業が同様にIPOを選択するかが注目される。中国AI産業は技術競争だけでなく、資金調達能力を競う段階へ入っている。
出典
Reuters