中国の人型ロボット開発が、性能を見せる競技の段階から現実の仕事へ導入する段階へ移りつつある。Reutersによると、北京人形机器人创新中心、通称X-Humanoidが開発する「TianGong Ultra」は、World Humanoid Robot Gamesで100メートルを8.64秒で走行した。
この数字は人型機械の運動能力が急速に向上していることを示すが、開発チームが次に目指しているのは単純な速度記録ではない。担当者は高い性能を「高い信頼性」と「高い実用性」へ転換することが重要だとReutersに説明している。TianGongシリーズでは工場環境で箱を運搬するなど、実際の作業を想定した試験も進められている。
人型ロボットを工場や物流施設へ導入するには、歩行や走行だけでは不十分だ。長時間停止せずに動く耐久性、物体を正確につかむ手、周囲の人間や設備を認識するセンサー、バッテリー寿命、故障時に安全停止する仕組みなど、複数の技術を同時に高い水準へ引き上げる必要がある。
中国がこの分野で持つ強みの一つは製造サプライチェーンである。電動モーター、減速機、バッテリー、センサー、カメラ、電子部品など、ロボットを構成する多数の部品を国内で調達しやすい。EVやドローンで形成された部品産業が、人型ロボット開発にも利用され始めている。
今後の競争では、華やかなデモよりも、1台当たりの価格、故障率、稼働時間、作業速度、人間の代わりに何時間働けるかといった経済性が重要になる。工場、物流、店舗、介護などで人型ロボットが人件費や作業効率に具体的な効果を生み出せるかが、産業として成立するかどうかの最大の焦点となる。
出典
Reuters